ニューウェイズ(NEWAYS)創業者、脱税罪で刑務所へ
ニューウェイズ(Neways)創業者脱税で逮捕−脱税・申告漏れ事件

脱税、申告漏れに関する事件を取り上げます。今回はニューウェイズ創業者の数億円に上る脱税事件、ニューウェイズ社の製品や販売方法については一部被害者などから批判の声も聞こえてきますが、企業自体は成長を続けているようです。米国の実態はどうなのでしょうか。

  
ニューウェイズ(NEWAYS)創業者、脱税罪で刑務所へ(2006年9月)

ユタ州に拠点を置くニューウェイズ社(Neways,国際的な化粧品及び健康補助食品会社)の創業者の刑期に関する判決が下った。

ニューウェイズ社の共同創業者であるトーマス・マウワー(Thomas E. Mower)と元妻レスリー・ディアン・マウワー(Leslie DeeAnn Mower)は、約3.2百万ドル(約3.7億円)に上る海外からのコミッション収入の申告漏れにより百万ドル(約1.2億円)以上の脱税をしたとして前者は約三年、後者は約二年の禁固刑をそれぞれ言い渡された。

2005年3月、連邦陪審員は、1件の詐欺共謀罪と6件に上る脱税罪を指摘し有罪としており、今回判決が下ったが、二人の弁護士は彼らの投獄を保留するように主張している。

被告(ニューウェイズ創業者)側弁護士の見解

ニューウェイズ社トーマス・マウワーの弁護士であるマックス・ウィーラーは、マウワーの経営能力欠如を理由にニューウェイズ社従業員が起訴される可能性も指摘し、また、ニューウェイズ社が現在ユタ州で同社最大のオフィスを建設中であり、そこでは1200名以上の雇用と55百万ドルの収入を見込んでいることについても触れた。ニューウェイズ社は、化粧品、スキンケア商品、健康補助食品、その他介護医療製品などを全米及び少なくとも35ヶ国にて販売している。

ウィーラーは、法廷に対し、トーマスが行っていたコスタリカの孤児やロシアの障害児への寄付、レスリングのオリンピック選手などへのサポートを判決の際に考慮するよう要請した。

同じくニューウェイズ社の創業者であるディアン・マウワーの弁護士であるアネリ・スミスは、情緒障害を持つ30歳の息子について触れ、「ディアン・マウワーは、息子の中心的存在であり、彼女を取り去ると彼はこの世界を恐れるだろう。彼女は彼の世界の中心であり、太陽のような存在だ。」と述べ刑の軽減を求めた。

しかしながら、原告側弁護士は、トーマスについて、数十万ドルの寄付をしていたにもかかわらず、国税局に対する申告所得は10万ドルのみであったことを指摘、また、ディアンについては、息子の社会保障番号(ソーシャルセキュリティー番号)を含む偽の社会保障番号など虚偽の情報を使用していくつもの銀行口座を作っていたことを指摘した。

息子については、運転免許や狩猟免許を持っており、母親の同行無しで州外への狩猟旅行に出たことがあると述べた。

最終的な判決

地方裁判所判事は、トーマス・マウワーについて、寄付活動などを考慮したうえで懲役33ヶ月及び3年の保護観察期間に加え、7.5万ドル(約8.6百万円)の罰金と92年から97年までの国税局への修正申告に対し全面的に協力するよう言い渡した。

ディアン・マウワーについては、息子に関する資料がなかったことから懲役27ヶ月及び3年の保護観察期間、そして6万ドル(6.9百万円)の罰金を言い渡した。弁護士のスミスによるとディアン・マウワーは既に修正申告を済ませているとのこと。

また、二人は国税局に対し1989年から2002年までの全ての情報を提供するよう言い渡された。

この事件により、ニューウェイズ社の元弁護士であったジェームズ・トンプソンも執行猶予24ヶ月、懲役25ヶ月の判決が下った。
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